鼠径ヘルニアになった子どもの手術方法は?麻酔や入院は必要?

小児鼠経ヘルニアについて

小児鼠経ヘルニアについて鼠経ヘルニアは乳幼児の発症も珍しくない病気です。また、鼠経ヘルニアは手術でしか治すことはできません。乳幼児の場合、自然治癒することもありますのでそれほど悪化していなければ2歳くらいまでは様子をみても大丈夫ですが、嵌頓を起こして危険な状態になる可能性がありますので2歳以上であれば早めにタイミングを見計らって手術を受けるようおすすめしています。

保護者の方へ

保護者の方へ小児の鼠経ヘルニアは珍しい病気ではありません。治療を早く受ければ危険な状態になることもありませんし、強い痛みを起こすこともありません。赤ちゃんのおむつ交換で、足の付け根にふくらみを見つけたら、早めにご相談ください。

小児鼠経ヘルニアの手術

当院では、小児の鼠経ヘルニア手術も日帰りで行っています。ただし子どもの場合、これから成長していきますので成人のようなメッシュを使った手術は行いません。子どもの身体はまだ成長の途中ですから、メッシュのような人工的な異物は成長に合わせることができず、再発の可能性があるからです。
そこで、当院では小児鼠経ヘルニアの手術では、高位結紮(こういけっさつ)法を用いています。この手法は、ヘルニア嚢という筋膜がゆるんでできた袋状の組織を溶ける糸で縛るという内容です。袋のサイズが大きい場合や中に水がある場合には、袋状の組織自体を摘出することもあります。
男児の場合、精管が通っている場所の手術となりますし、女児の場合は卵巣が脱出しているケースもあります。そのため、小児鼠経ヘルニアの手術は経験豊富な専門医の手術を受けることが重要です。当院では、日本有数の鼠経ヘルニア手術数を経験している専門医である加賀谷院長が診察・手術・術後のフォローまで一貫して行っていますので、ご安心ください。

麻酔について

当院では麻酔専門医が手術中の麻酔コントロールを行っています。小児鼠経ヘルニアの手術でも、麻酔専門医が全身麻酔を行い、全身状態を常時確認しながらしっかりコントロールしていきますのでご安心いただけます。
乳幼児や小学生以下の手術では、マスクによる全身麻酔を行っています。少し甘い気体による麻酔ですから、不快感はありません。腰から下を麻痺させる腰椎麻酔では、麻痺がしばらく残るため入院の必要がありますし、排尿コントロールがしばらくできない場合、カテーテル挿入を行うこともあります。全身麻酔は手術が終了したらすぐ覚めるため、2時間程度院内で過ごしていただけば入院やカテーテル挿入の必要はなく、その日のうちに歩いてご帰宅できます。
なお、手術自体の所要時間は15分ほどで、お休みいただく時間を含めた院内滞在時間は4時間程度です。

日帰り手術について

日帰り手術について当院の小児鼠経ヘルニア手術はお身体への負担が少なく、術後の痛みなどもかなり抑えられるため、入院する必要がなく、日帰りで受けられます。親御さんがいて、慣れ親しんだご自宅であれば、お子様も安心して過ごせます。余計なストレスがないため、回復も早くなりますし、感染などのリスクも軽減できます。
また、術後の創(傷口)は消毒や抜糸の必要がなく、翌日からはほぼ普段通りの生活が可能です。傷跡に関しても、かなり小さいので時間経過により消えてしまい、ほとんど目立たなくなります。