食道の病気とは

胃内視鏡検査で見つかる食道のおもな病気について、代表的なものをご紹介いたします。

逆流性食道炎

首に違和感を感じる女性胃酸が逆流して起こる食道の炎症です。胃壁の粘膜は強い胃酸から守られているため炎症などは起こりませんが、何らかの原因で胃液が食道に逆流すると、食道の粘膜は胃酸やタンパク質分解酵素によって傷つけられます。この逆流が繰り返され、ただれや潰瘍を生じて頻繁に胸焼けを感じたり、口内が酸っぱくなる不快な呑酸を感じたりするのが逆流性食道炎です。
脂肪やタンパク質の多い食事は胃酸の分泌過多を引き起こします。また、暴飲暴食や不規則な食事などが続くと、噴門部で胃からの逆流を防いでいる下部食道括約筋の力が弱まって、逆流が起きやすくなります。また、妊娠、肥満、便秘などで腹圧が高まっている場合にも、胃酸が逆流しやすいといわれています。
内視鏡検査で食道の粘膜を観察することで診断します。胃酸の分泌を抑える薬で症状がなくなることがほとんどですが、「逆流」を止める根本治療にはなりません。普段から腹部を圧迫しない姿勢を保つ、肥満を解消する、腹八分目の食事を心がける、バランスのいい食事を摂るなどの生活習慣の改善が必要です。

食道がん

診断中写真食道にできた悪性腫瘍です。初期にはあまり自覚症状がありません。やがて食事がつかえたり、しみたり、チクチクした刺激を感じたりするなどの症状が現れます。さらに進行すると咳や血痰が出たり、声がかすれたり、胸や背中に痛みを感じるようになり、体重が減少します。
食道には多くの血管やリンパ節が集まっているため転移しやすいといわれています。肺や肝臓、骨、脳など転移先はさまざまで進行するにつれ、さまざまな症状が出てきます。したがって食道がんは早期発見がとても大事です。最大のリスク要因は喫煙と飲酒とされていますが、40歳代後半からかかりやすくなるといわれています。定期的に内視鏡検査を受けることをおすすめします。

食道カンジダ症

カンジダとはカビ(真菌)の一種です。これが食道に感染して炎症を起こします。
カンジダは人の皮膚や粘膜に広く常在している真菌で、通常は炎症を起こすほど増殖することはありません。免疫力が低下しているときに食道に感染すると、食道の粘膜に白い苔のようにカンジダが広がります。胃内視鏡でこれを確認することができます。
食事がつかえたり、染みたりすることもありますが、ほとんど自覚症状がないことも多く、放っておいても免疫力で自然に治ることもあります。

食道裂孔ヘルニア

人の身体の内部で胸と腹の間を隔てている横隔膜には食道が貫通している裂け目(裂孔)があります。食道はこの裂孔を通って横隔膜の下にある胃とつながっていますが、胃の一部が裂孔を通して横隔膜の上に飛び出してしまっている状態を食道裂孔ヘルニアといいます。
肥満や腹部を圧迫する姿勢、喘息や慢性気管支炎など、腹部に圧がかかることが原因で起こります。また、加齢によって裂孔が緩むことも原因と考えられています。
多くは自覚症状もなく、治療の必要もありません。ただ、胃酸が食道に逆流しやすいため逆流性食道炎を併発するケースもあり、胸焼けや呑酸を感じることもあります。また、食道や胃が横隔膜に締め付けられて食べものがつかえたり、胸に痛みを感じたりすることもあります。
症状がつらい場合には手術でヘルニアを治療します。

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