手汗の治療は交感神経の遮断!副交感神経との違いについて!

手汗と自律神経(交感神経・副交感神経)

手汗をコントロールしている交感神経は活動時に働く自律神経で、休息・睡眠時には副交感神経が働きます。手掌多汗症を根本的に治す手術は、胸腔鏡下胸部交感神経遮断術という手法が用いられます。これは、手につながる交感神経を部分的に遮断して、過剰な手汗の分泌をなくす治療法です。ここでは、交感神経と副交感神経、汗と自律神経、そして胸腔鏡下胸部交感神経遮断術についてご説明しています。

交感神経

起きて活動している時に働く神経で、その時々の状況に合わせて素早く、適切なコントロールを行っています。緊張などのストレスで交感神経の働きが強まることで、発汗などの反応を起こしています。

副交感神経

休息や睡眠時に働く神経で、身体の疲れやダメージを回復させるために不可欠な役割を担っています。副交感神経が働くと血管が拡張して血流が改善し、酸素や栄養素を身体の隅々まで届けやすくなり、老廃物の排出も促されます。

交感神経と汗

自律神経の中でも、交感神経と発汗は深い関係を持っています。交感神経が過剰に働くと発汗量は増え、成分も濃くなります。

自律神経と汗

自律神経と汗睡眠不足や緊張が続いて交感神経が働く時間が長くなってしまうと十分な回復ができず、さまざまな不調につながります。こうした交感神経と副交感神経のバランスが乱れる自律神経失調症の場合も発汗量が増加する症状が現れます。

自律神経

自律神経には交感神経と副交感神経があり、バランスよくそれぞれが働くことで、呼吸器、消化器、循環器などの活動を24時間休みなくコントロールしています。自律神経のバランスが乱れると、便秘や下痢、不眠、慢性的な頭痛や肩こり、過呼吸など身体にさまざまな不調が現れます。

交感神経を部分的に遮断して手汗を解消する手術

交感神経を部分的に遮断して手汗を解消する手術手掌多汗症の手術では、手につながる交感神経を部分的に遮断することで症状をなくします。手術は胸腔鏡という内視鏡を用いて行います。胸腔鏡を挿入するのは脇の下に開けた小さな穴ですから、手術後の傷跡はほとんど目立ちません。侵襲が少なく、短時間で行える手術ですから入院の必要はなく、日帰りで受けることができ、手術直後から手汗はなくなります。
手術内容によっては、手汗が解消しても他の部分の発汗が増える代償性発汗を起こすことがありますが、当院では第4交感神経を遮断する低位の胸部交感神経を対象に手術を行うことでこうした副作用が起こる可能性を最小限に抑えています。