手掌多汗症

手掌多汗症とは

手掌多汗症多汗症は、暑さや運動などに関係なく手のひらに大量の汗をかく疾患ですが、現在は効果の高い治療法が確立し、手術で完治させることも可能です。軽度のものも含めれば日本人の20人に1人がこの疾患を持っているとされており、幼少期の発症もよくあります。
健康上の問題はありませんが、握手やダンスなどにためらいを感じたり、字を書くと紙がよれてしまう、パソコンのキーボードが濡れる、ハンカチが手放せないなど、社会生活を営む上で不自由を感じ、悩んでいる方は少なくありません。
手掌多汗症の原因は不明ですが、家族性や遺伝性が認められる傾向にあり、また高温多湿の地域に多いと言われています。
自覚しはじめるのは5歳から10歳前後が多いですが、成人してから症状が出ることもあります。
症状は、手のひらだけでなく、腋や足の裏に多量の汗をかく場合もあります。
手掌多汗症の治療法は以下の4つがあります。

  1. イオントフォレーシス
  2. 手術(胸腔鏡下胸部交感神経切断術)
  3. アルミニウムローションの塗布
  4. ボツリヌス毒素の注射

手掌多汗症の原因

はっきりとした原因はまだ解明されていませんが、交感神経や遺伝が関与しているとされています。手掌多汗症の患者様は新陳代謝を活性化させる交感神経が比較的強く反応するケースが多く、これが大量の汗分泌につながっていると考えられています。

手掌多汗症の症状

汗は体温調整をするための温熱性発汗、緊張状態から生じる精神性発汗に大きくわけられます。多汗症の汗は精神性発汗です。そのため、緊張状態では症状が強くなります。ただし、リラックスした状態でも大量に発汗するケースもあります。

手掌多汗症の症状が3つのレベルにわけられています。

レベル1 手のひらが汗で湿る程度の発汗
レベル2 手のひらに汗のかたまりができる程度の発汗
レベル3 手のひらから汗が垂れるほどの発汗

こんなことでお困りではありませんか?

  • 握手をしたくない
  • 手をつなぐのをためらってしまう
  • 汗でにじんで自分で書いたノートやメモが読めない
  • 署名がにじむため、芳名帳などの記入ができない
  • 書類がよれよれになって提出できない
  • 何かに触れると跡がついてしまう
  • 人から借りたものを濡らしてしまうのではと心配
  • 車やバイク、自転車のハンドルが滑る
  • ハンカチやタオルを常に持っていないと不安
  • ハンカチやタオルがすぐ湿ってしまう

手掌多汗症は幼少期に症状が出始めることも珍しくないため、からかわれて引っ込み思案になるなどコンプレックスとなる場合がよくあります。多汗症は治療できる病気ですが、単なる汗かきと思って放置していると将来に大きな影響をおよぼす可能性もあります。お子様の汗が多いかなと感じたら、一度、専門医にご相談することをおすすめします。

手掌多汗症の治療法

イオントフォレーシス

イオントフォレーシスイオントフォレーシスとは、手や足を水につけ、電気を流す治療です。
汗が減る有効率は40%程度で、数ヶ月後にまた汗が出るようになるため、繰り返しの治療が必要です。
健康保険が適用されますが、ペースメーカー装着者や、骨折などで金属を体内に埋め込まれている人には行えません。

手術

手掌多汗症の手術手術は、発汗をつかさどる胸部の交感神経を部分的に切断することで手汗を出ないようにします。
手術は15分ほどで、当日帰宅できます。
手術によりほぼ100%、手のひらの汗が出なくなりますが、まれに術後しばらくして再発することがあり、再発の原因は切断した交感神経の再生が考えられます。
また、手のひらの汗が出なくなっても、背中や大腿などに汗が増えることがあります。
これを「代償性発汗」と呼びますが、切断する位置を調整することで、発症する確率を5%以下に減らすことが可能です。

アルミニウムローションの塗布

アルミニウムローションの塗布は、腋の汗にはかなり有効ですが、手や足の汗にはあまり効果が期待できません。
また長期使用に対する安全性もはっきりわかっていません。

ボツリヌス毒素の注射

ボツリヌス毒素の注射は、薄めたボツリヌス毒素を掌や足底に注射して交感神経を麻痺させ、発汗を抑えます。
数ヶ月ごとに注射をしなければなりません。
また保険が適用されず、1回の注射で10万円ほどかかります。

受診から手術まで

外来受診

問診・診察を行います。

検査

血液検査などを行います。

治療方針の決定

検査結果や可能な治療法について医師が詳しく説明し、患者様の症状やお考えに合わせて治療法を選択します。手術以外は定期的な通院が必要になりますので、その頻度などについてもご相談します。

手術

手術時間は15~30分程度ですが、術後は1~2時間ほど休憩いただき、それからご帰宅となります。

術後の再診

数か月後の診察が必要です。その際には、手術の効果や副作用について診断します。

費用(保険診療)

治療費用について

1割負担 3割負担
イオントフォレーシス 300円 900円
手術(胸腔鏡下胸部交感神経切断術) 約31,000円 約93,000円
(高額医療控除制度)
アルミニウムローションの塗布 1,300円 1,300円
ボトックス(脇の汗) 約10,000円 約30,000円

支払方法について

クレジットカード利用可当院での処置料、手術料につきましては、クレジット・カード払いも取り扱っていますので、お気軽にご相談ください。

高額療養費制度について

手掌多汗症の手術は高額医療に該当するため、医院から発行される領収書を保管しておいてください。

医療費控除について

ご本人またはご本人と生計を同じにしているご家族の方が、年間で10万円以上の医療費をお支払になられた場合、医療費控除が適用されます。医療費控除では所得税の還付または軽減を受ける事が出来ます。

医療費にふくまれるもの

  1. 患者さんが支払った診療費、医療費、入院費
  2. 治療に必要とした医薬品の購入費用
  3. 通院にかかった費用

任意保険の手術給付金について

任意の生命保険や入院保険に加入されている場合、手掌多汗症の手術を受けた際に給付金が受け取れる可能性があります。ご加入されている保険の種類やご加入の時期により詳細が異なりますので、保険会社にお問い合わせください。

tel.047-312-7707お問い合わせはこちら
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